無生物主語/英文読解の練習問題

以下の英文を日本語になおしてください。

■■問題23
The hurricane damaged not only North Carolina but also New Jersey.

今回のポイント

この文では「無生物主語(生き物ではないものが主語になる文)」の訳し方と、「not only A but also B」という超重要熟語(イディオム)の2つを同時に攻略することが目標です。
英語では、ハリケーンやニュースなど「人以外のもの」が、まるで生き物のように動作を行う文(無生物主語)がよく使われます。これをそのまま直訳すると、ロボットが喋っているような不自然な日本語になってしまうため、頭の中で少しだけ「翻訳の魔法」をかける必要があります。

アドバイス

いきなり、日本語訳を見て、正解、不正解で一喜一憂するのではなく、なぜ、そのような訳になるのか、しっかり考えることが大切です。
このページでは、英文に使われている英文法の解説、なぜ、そのような訳になるのかの解説もあるので、本気で英語が上達したいなら、このページをしっかり読んでくださいね。

日本語と英語の大きな違いの一つに、「誰(何)を主役(主語)にするか」というクセの違いがあります。
日本語では、基本的には「人間」や「生き物」を主役にします。たとえば、「(私は)雨のせいで遅刻した」のように、人間を主語にして、雨は「原因のおまけ」として扱いますよね。

しかし英語は、「何が原因でそうなったのか」という【原因そのもの】を主役に抜擢するのが大好きな言語です。
英語の感覚では「雨が、私を遅刻させた(The rain made me late.)」のように表現します。雨がまるで意志を持った犯人のように振る舞うのです。

この「犯人(原因)= 主語」となっている英文を、そのまま「雨が私を遅刻させた」と訳すと、少し大げさで不自然な日本語になってしまいますよね。
そこで、英文を読むときは「犯人がやった!」と理解しつつ、日本語に訳すときだけ「犯人の【せいで】、私は【〜になっちゃった】」と、人間や被害者を中心とした自然な言い回しにサッと変換してあげる練習が必要になります。

英文法の解説

【重要イディオム(熟語)】
not only A but also B = AだけではなくてBも
これはテストで必ずと言っていいほど出題される超重要表現です。「Aはもちろんだけど、それだけじゃなくてBもなんだよ!」と、Bの方を強く強調したいときに使います。ぜひ声に出して暗記してください。

【無生物主語の訳し方の基本】
例えば、「彼の死はみんなを悲しませた。(His death made everyone sad.)」という文を見てみましょう。

この文は、文法的には正しいのですが、日本語としては少し違和感がありますよね。「彼の死(という出来事)」という「生き物ではないもの(無生物)」が主語になっているからです。

では、英語ではどうしてこんな書き方をするのでしょうか?
実は、英語において「無生物」を主語にするのは、とてもポピュラーでかっこいい表現(大人っぽい表現)なのです。しかし、これをそのまま(直訳で)日本語にしてしまうと変になってしまいます。
そこで、「生き物ではないもの」が主語にきている英文には、きれいに訳すための「3つの魔法のステップ(コツ)」を使います。

1.主語(原因)に「〜によって」「〜のせいで」「〜のおかげで」をつける
「彼の死」は悲しみの原因なので、日本語では「原因(理由)」に変えてしまいます。
→ 彼の死 <によって>

2.目的語(動作を受ける人・物)がいれば、それを「〜は」「〜が」に変えて、新しい主役に昇格させる
もともとの文では「みんなを(everyone)」が動作を受ける犠牲者(目的語)でした。これを日本語の文の主役に変えてあげます。
→ 彼の死 <によって> 、みんな <は>

3.動詞を「する→される」「させる→する(なる)」というように、受け身のニュアンスに変える
「悲しませた(悲しい状態にさせた)」という犯人の動作から、「悲しんだ(悲しい状態になった)」という主役目線の動作にひっくり返します。
→ 彼の死 <によって> 、みんな <は> <悲しんだ> 。

これで、「彼の死によって、みんなは悲しんだ。」という、とても自然で美しい日本語の訳が完成します!

今回の文に当てはめる

それでは、今回の問題文にこの「魔法のステップ」を当てはめてみましょう。
The hurricane damaged not only North Carolina but also New Jersey.

まずは文の骨格(SVOの第三文型)を確認します。
・The hurricane(主語:S=犯人・原因)
・damaged(動詞:V=ダメージを与えた、傷つけた)
・North Carolina / New Jersey(目的語:O=被害者・被害を受けた場所)

次に、重要イディオム「not only A but also B」を処理します。
「not only North Carolina but also New Jersey」
= ノースカロライナ州 <だけでなく> ニュージャージー州 <も>

英文の解説

ここまで整理できたら、魔法のステップの出番です。
直訳すると、「ハリケーンは、ノースカロライナ州だけでなくニュージャージー州も傷つけた(被害を与えた)。」となります。
意味は通じますが、ニュースなどで聞く日本語としては少し不自然です。

@ 主語(The hurricane)を原因・理由に変える
→ 「ハリケーン <によって> (ハリケーンのせいで)」

A 目的語(州の名前)を主役(?は、?が)に持ち上げる
→ 「ノースカロライナ州だけでなくニュージャージー州 <も> 」

B 動詞(damaged=ダメージを与えた)を受け身の視点に変える
→ 「ダメージを受けた(被害に遭った、損害を受けた)」

これらをガッチャンコして、自然な語順に整えます。
「ハリケーン + によって + ノースカロライナだけでなくニュージャージーも + 被害を受けた」

英語の「何が、何を、どうした(原因 → 結果)」という流れを、日本語の「原因によって、誰が、どうなった」という形に変換できれば、どんな無生物主語の文でも完璧に訳せるようになりますよ!

日本語訳

ハリケーンによって、ノースカロライナ州だけではなくてニュージャージー州も損害をうけた。

無生物主語と熟語の実力テスト:10問ドリル

無生物主語の自然な訳り方と、重要熟語「not only A but also B」などの形をマスターするための10問ドリルです。最も適切なものを選択肢の中から選びましょう。

問題1: The news ( ) me very happy.
A) made B) makes C) making D) to make

問題2: ( ) heavy snow, the trains stopped.
A) Made by B) Because of C) So far D) Not only

問題3: This picture ( ) me of my childhood.
A) thinks B) remembers C) reminds D) makes

問題4: He can speak not only English ( ) French.
A) but also B) and also C) as well as D) or

問題5: The heavy rain kept us ( ) going out.
A) to B) for C) from D) by

問題6: I like not only dogs but ( ) cats.
A) to B) also C) both D) either

問題7: A short walk will ( ) you to the station.
A) get B) go C) bring D) run

問題8: Not only you but also he ( ) to blame.
A) am B) are C) is D) be

問題9: His illness prevented him ( ) attending the meeting.
A) from B) to C) of D) by

問題10: This medicine will ( ) you feel better.
A) take B) have C) make D) get


【解答と解説】

問題1: A) made
解説: 「その知らせによって、私はとても幸せになった(幸せに【させられた】)」。「無生物主語 + make + O + C(OをCにする)」の頻出表現です。文脈に合わせて過去形のmadeが適当ですら(もしくはmakesでも正解になり得ますが、代表としてmade)。

問題2: B) Because of
解説: 「大雪【によって(大雪のせいで)】、電車が止まった」。「because of + 名詞」で原因・理由を表します無生物主語の書き換えでよく使われます。

問題3: C) reminds
解説: 「この写真【を見ると】、私は子供の頃を【思い出す】」。「remind A of B(AにBを思い出させる)」という無生物主語の超重要イディオムです。

問題4: A) but also
解説: 「彼は英語【だけでなく】フランス語【も】話すことができる」。「not only A but also B」のセットフレーズです。

問題5: C) from
解説: 「大雨【のせいで】、私たちは外出【できなかった】」。「keep(またはprevent/stop) A from -ing(Aが〜するのを妨げる)」の公式です。テスト頻出!

問題6: B) also
解説: 「私は犬だけでなく猫も好きだ」。「not only A but also B」の後ろ半分のパーツです。

問題7: C) bring
解説: 「少し歩けば(少し歩くこと【によって】)、あなたは駅に【着きますよ】(駅に連れて行かれる)」。「bring + 人 + to 場所」で「人を〜へ連れて行く」です。

問題8: C) is
解説: (応用問題)「not only A but also B」が主語になった場合、動詞は必ず「B(後ろの言葉)」に合わせるというルールがあります。Bは「he」なので、動詞は is になります。

問題9: A) from
解説: 「病気【のせいで】、彼は会議に出席【できなかった】」。問題5と同じく「prevent A from -ing(Aが〜するのを妨げる)」の形です。

問題10: C) make
解説: 「この薬【を飲めば】、あなたは気分が良く【なるでしょう】」。「無生物主語 + make + 人 + 動詞の原形(人に〜させる)」の使役動詞の構文です。

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